星をかった日
三鷹の森 ジブリ美術館でのみ上映される、宮崎駿監督による16分の短編。高密度なアニメーションには流石の一言ですが、安定しすぎて目新しさはありません。僕は宮崎駿のファンタジー世界というのが肌に合わないようです。おそらく原因は、毒を抜かれたキャラクターしか登場しなせいでしょう。子供向けだからといって毒を抜くよりは、むしろ大人になって思い返して初めて理解できるぐらいが好きなので、絵に描いたような善人と申し訳程度の悪人しか登場しない物語は、白々しくてダメなのです。
「耳をすませば」と同じ井上直久の「イバラード」を舞台にしていますが、今回は設定のみの拝借で外見は別物。筋書きは宮崎アニメの王道とも言うべき「救出モノ」で、どこかで見たようなキャラクターも相まって既視感ばかり。テーマ自体も紋切り型で、それが本当に監督の言いたいことなのか、と聞き返したくなるような内容でした。
宮崎駿のイバラードへの愛が詰まった一作と言えば聞こえは良いですが、宮崎アニメを多く観てきた人には目新しいものが何一つない凡作。息抜きには良いかもしれませんが、わざわざ観に行くようなものではないなあ、というのが正直な感想です。
監督:宮崎駿
原作:井上直久
声の出演:神木隆之介、鈴木京香、若山弦蔵、大泉洋
公式サイト

20061004 | レビュー(評価別) > ★ | - | -

あまりにも偉大な父を持ってしまった宮崎吾朗監督の、これがアニメーション初監督となる長編作品。原作は「指輪物語」「ナルニア国物語」と並んで世界三大ファンタジーの一つに数えられる傑作小説。初監督にしては意欲的な内容に、まずは安心させられました。
爆発的な人気を誇るアニメシリーズの劇場版第9作。「大人も泣ける子供向けアニメ」であった同シリーズの決定版的な内容で、映画秘宝誌での年間ベスト1に輝くなど話題をさらった作品です。
GAINAX設立第一弾の劇場用SFアニメ。80年代のSFアニメらしい特殊な世界観は、良く作り込んだなと感心はしますが共感はできません。
たかしげ宙&皆川亮二による人気コミックを、川崎博嗣監督で映画化した劇場アニメ。ツカミは良かったものの、今ひとつパッとしない内容でした。
竹内義和の原作小説を今敏(こん さとし)監督が映画化した、アニメには珍しいサスペンス作品。意欲は買いますが、どうにも空振りでした。
大友克洋原作、江口寿史キャラクター原案による、不条理な笑いと怒濤のアクションが魅力のアニメ。監督は、キレの良いアクションを得意とする北久保弘之。
大友克洋の総監督によるオムニバスの劇場アニメ。SFやギャグといった、大友漫画の持つ異なるテイストを抽出した3つの短編は、それぞれ個性的で見応えがあります。
大友克洋が、自らの漫画を長編映画化し、その名を世界に知らしめた大作SFアニメ。日本製アニメーションといえば、まずこれを想起する人も多いのでは。
宮崎駿監督による長編アニメ。画面いっぱいにお伽話の世界が展開されるものの、心の底から楽しめるわけではない、微妙な作品でした。