レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード
ロバート・ロドリゲス監督お得意のバイオレンスが満載の”エル・マリアッチ”シリーズ第三弾。今回は豪華キャストを揃え、アクションも多彩になって盛りだくさんの内容でした。バンデラスを始め、粋なラテンの男たちがギターを弾きながら華麗なガン・アクションを繰り広げる、というただそれだけの映画ですが、それが格好いいのです。クーデターやCIAや元FBIといった要素が凝縮された物語は、追いついていくのが大変なほどの密度。しかし後半乱戦になってからは立場よりも個人間の戦いになり、あとは粋なヤツしか生き残れないんだとばかりにバタバタと人が死んでいきます。その思い切り具合が最高!
常連組のダニー・トレホが相変わらず不敵に活躍するのも嬉しいところですが、ミッキー・ロークやウィレム・デフォーといった新規参入組も嬉しい渋さ。そしてやっぱりジョニー・デップが凄かった。中盤までは「こんなもんか」というキャラクターでしたが、これが化ける化ける。もちろんバンデラスは撃っても弾いても嘘のような色っぽさ。とにかく見栄の切り方ひとつとっても画になる俳優ばかりで、ひたすら見とれているうちに映画が終わっていました。もっと観ていたかった〜。
細かいところかもしれませんが、あくまで「メキシコ」に固執する台詞回しが印象的でした。子供に対する視線が優しかったり、タイトルに "Once upon a time in..." とあるあたりから察するに、これはロドリゲス流のヒーロー映画なのでしょう。こういう、愛のあるバイオレンスは好きです。
監督:ロバート・ロドリゲス
出演:アントニオ・バンデラス、サルマ・ハエック、ジョニー・デップ、ミッキー・ローク、ダニー・トレホ、ウィレム・デフォー
公式サイト

20051210 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

R・ロドリゲス監督がデビュー当時から映画化したかったというグラフィック・ノベルのカルト的作品を、その原作者を共同監督に迎えて制作した話題作。これでもかというバイオレンス映画を期待していたので大満足でした。
デヴィッド・フィンチャー監督によるサスペンス映画の超問題作。テーマ自体は使い古されたものかもしれませんが、その提示方法があまりに暴力的で斬新でした。フィンチャー監督作品の中では、この作品が一番好きです。
リドリー・スコット監督による、女性二人が主役のロードムービー。まんまアメリカン・ニューシネマな脚本は、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞共に脚本賞を受賞しています。
メインスタッフ3人が原案・監督・製作・脚本・撮影・主演・編集を兼ねるという超インディペンデントな、バイオレンス映画の問題作。「蝿を殺すように人間を殺す男」をカメラがひたすら追い続けるドキュメンタリー、という設定のフィクション。でも真に迫りすぎていて、本物のドキュメンタリーではないかと怖くなる瞬間すらありました。