テルマ&ルイーズ
リドリー・スコット監督による、女性二人が主役のロードムービー。まんまアメリカン・ニューシネマな脚本は、アカデミー賞とゴールデン・グローブ賞共に脚本賞を受賞しています。主役二人の暴走ぶりは開き直りが感じられて良いのですが、痛快と言い切れないシナリオなのが腑に落ちませんでした。リアリティなのかもしれませんが、だとするとこの展開は悲しすぎます。良くも悪くもアメリカらしい、焦燥感溢れる映画でした。
主演のスーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィスに加え、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピットなど、スター性の高い俳優を揃えていて、まず見応えがあります。それでいて、映画全体の世界観を見失わないあたりはさすがスコット監督と言うべきでしょう。撮影も、相変わらず90年代初頭の作品とは思えないほど美しく仕上がっています。
128分とちょっと長めなのが気になりますが、それを我慢して観るのもまた一興かと。個人的にはこの映画でマイケル・マドセンに惚れました。ブラッド・ピットのヤンキーぶりも必見。
監督:リドリー・スコット
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、ハーヴェイ・カイテル、マイケル・マドセン、ブラッド・ピット

20051019 | レビュー(評価別) > ★★ | - | -

アルフォンソ・キュアロン監督によるロードムービー。モノローグを多用したごく普通のロードムービーと思わせておいて、計算されたシナリオであることが見終わって分かる構成になっています。
コンラッドの小説「決闘」を原作にした、風変わりな騎士道映画。リドリー・スコット監督はこれがデビュー作ですが、既に映像に対するだわりが見て取れます。70年代の映画の中でも間違いなくトップクラスの映像は必見。モノトーンに沈みがちなイングランドの風景を、朝焼けなどの微妙な光を利用して色彩豊かに描き出しています。
ロアルド・ダールによる児童文学の傑作を、ティム・バートンが見事なまでに映画化。「ビートルジュース」や「シザーハンズ」以来となる極彩色の世界観は更に魅力を増していて、その方面でのバートン映画としては、これが集大成と言っても過言ではないでしょう。最近のバートン映画には勢いが足りないと思っていたところだったので、久々に純粋な「ティム・バートン作品」を十分に堪能できて大満足でした。