マルコヴィッチの穴
MV界出身のスパイク・ジョーンズ監督の長編デビュー作にして、脚本家チャーリー・カウフマンの名を世に知らしめた秀作。飛び抜けたセンスは必見なんですが、理屈っぽくなってしまった物語が惜しい。実在の人物を題材に展開される奇想天外な物語が、観る前に想像していたものを遙かに凌駕する面白さで、特に中盤の悪夢のような展開には腹がよじれるほど笑わされました。ただ、どれも表層上だけの面白さで、通底するテーマがないので観終わってから残るものもありません。ひたすらナンセンスなのかと思いきや、SFっぽい理由付けがあるのも興ざめでした。
主演のジョン・キューザックとキャメロン・ディアスは、それまでのイメージを払拭する好演。影の主役とも言えるジョン・マルコヴィッチは相変わらずキレた演技が見物です。ブラッド・ピットやウィノナ・ライダーなどのカメオ出演も驚きましたが、一番の見所はチャーリー・シーンかも…。
一つのアイデアで通せばいいのに、補助的な要素を付け加えてしまって焦点がぼけたような印象。その“ごった煮”的な賑やかさを楽しめる人には良いんでしょうが、どこか空騒ぎめいていて素直に楽しめません。スパイク・ジョーンズの映像を楽しむために何度も観たくなるものの、物語としては一度で十分でしょう。
監督:スパイク・ジョーンズ
出演:ジョン・キューザック、キャメロン・ディアス、キャサリン・キーナー、オーソン・ビーン、チャーリー・シーン、ジョン・マルコヴィッチ

20060512 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -

爆発的な人気を誇るアニメシリーズの劇場版第9作。「大人も泣ける子供向けアニメ」であった同シリーズの決定版的な内容で、映画秘宝誌での年間ベスト1に輝くなど話題をさらった作品です。
GAINAX設立第一弾の劇場用SFアニメ。80年代のSFアニメらしい特殊な世界観は、良く作り込んだなと感心はしますが共感はできません。
大友克洋原作、江口寿史キャラクター原案による、不条理な笑いと怒濤のアクションが魅力のアニメ。監督は、キレの良いアクションを得意とする北久保弘之。
大友克洋の総監督によるオムニバスの劇場アニメ。SFやギャグといった、大友漫画の持つ異なるテイストを抽出した3つの短編は、それぞれ個性的で見応えがあります。
大友克洋が、自らの漫画を長編映画化し、その名を世界に知らしめた大作SFアニメ。日本製アニメーションといえば、まずこれを想起する人も多いのでは。
「
ドイツ出身のローランド・エメリッヒ監督が手がけたSF大作。笑っちゃうほどコテコテの展開を大真面目にやる手法には、感動すら覚えました。
“ドイツのスピルバーグ”と評されたローランド・エメリッヒ監督の、ハリウッド・デビュー作。ヴァン・ダムとラングレンという二人のアクション・スターの共演が話題でしたが、エメリッヒの地味な作り込みとの食い合わせは悪いような。
ブラックな笑いでヒットしたSFアクションの、同一監督による続編。前作から余分なものを削って勢いを増したおかげか、ノリの良い単純アクション・コメディとして好感の持てる内容でした。