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ミックマック

 『アメリ』『ロスト・チルドレン』のジャン=ピエール・ジュネ監督がダニー・ブーンを主演に迎えて撮った久々のコメディ作品。いかにもジュネ映画という既視感でいっぱいでした。

 今回も奇妙な主人公、奇妙なエピソード、奇妙な仕掛けが集まって、とにかく奇妙な物語が展開するジュネのファンにはお馴染みの内容。しかしどこか空回りしているように感じたのは、ダニー・ブーンに貫禄がありすぎたからかも。彼なら仲間の力に頼らずとも、一人で全て解決できそうなので、説得力に乏しくなってしまいました。あと、ヒロインがそっちなの!?というのも個人的には不満。うーん。
 イタズラは相変わらずの完成度。特に今回はテーマにもなっているので、思わず拍手したくなる仕掛けもいくつか。音楽もおもちゃ箱から飛び出したようで映画の雰囲気に合っています。撮影監督は『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の撮影で急遽抜けたブリュノ・デルボネルに代わり永田鉄男が担当。色彩表現は素晴らしいものの、立体的なカメラワークが必要な場面で首をかしげるところがいくつかあったのが残念。

 細かいところでは、オープニング・クレジットがひねってあって最初から笑わされました。ジュネ映画には珍しく爽快な内容なので、気軽に楽しみたいという方もぜひ。

監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:ダニー・ブーン、ドミニク・ピノン、ジャン=ピエール・マリエール、ジュリー・フェリエ、マリー=ジュリー・ボー、アンドレ・デュソリエ、ニコラ・マリエ
20110328 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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