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Dr.パルナサスの鏡

 奇才テリー・ギリアム監督が、『バロン』『未来世紀ブラジル』の脚本家チャールズ・マッケオンと三度組んで作り上げた作品。主演のヒース・レジャーが撮影期間中に死亡するというアクシデントに見舞われながらも、なんとか完成にこぎ着けました。

 ギリアム監督といえば万華鏡のように展開する映像世界が魅力ですが、今作でもそのイマジネーションは健在。今回はモンティ・パイソン含め過去のギリアム作品の総集編とも言えそうなほど、ありとあらゆる方向性から空想の世界を描いています。現実世界は必要以上に暗く描かれていて、いいアクセントになっています。ストーリーは説明不足の感が否めませんが、勢いで押し切りつつもきちんと最後をまとめているところが、ギリアムも大人になったのかなと思ってしまいました。
 ヒース・レジャーの演技はとにかく素晴らしい。うさんくさい男をしっかり演じています。助っ人で演じた三人も良いんですが、やはりここは最後までヒースに全て演じてほしかった。あと、リリー・コールとアンドリュー・ガーフィールドの若手二人がそれぞれとても魅力的で印象に残りました。

 老いてもなお新たな世界へ観衆を誘うパルナサス博士の姿に、ギリアム自身が投影されていてまるで自画像のような映画でした。盛りだくさんの映像なので、そこが気になるのであれば観ても損はない作品です。

監督:テリー・ギリアム
出演:ヒース・レジャー、クリストファー・プラマー、リリー・コール、アンドリュー・ガーフィールド、ヴァーン・トロイヤー、トム・ウェイツ、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレル
20110401 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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