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シャイニング

 スティーヴン・キングの原作をスタンリー・キューブリックが独自のアレンジで映画化したホラー映画の金字塔。じわじわと侵蝕してくるような恐怖演出はトラウマになること間違いなしです。

 ジャック・ニコルソンの怪演がよく話題に上りますが、それ以上にキューブリックお得意のゆっくり動くカメラワークが映画の題材にとても合っていて、閉鎖空間で狂気にとらわれていく主人公たちの心理を巧く描き出しています。観客の不意をついて驚かすようなホラーが多い中で、内側から崩壊していくような静かな演出のこの映画は、まさにキューブリックならではのホラー作品と言えるでしょう。
 血のエレベータ、双子、三輪車など印象的なモチーフが多いのもこの映画の特徴で、後に多くのオマージュを生んでいます。ただ一つ一つのモチーフの持つ意味を考えても答えは出てきません。ラストの解釈も観客にゆだねられています。このあたりが納得できない人は、観終わってから消化不良な印象を受けるのかも。個人的にはそういう雰囲気作りもホラー映画の醍醐味という考えなので、この映画との相性はバッチリでした。ただホラー映画自体が苦手なので、何度も観たくはないですが……。

 公開当初は娯楽作品という枠組みでしたが、この映像美と演技は他の芸術系映画を寄せ付けない気迫すら感じます。ホラー映画といえばまずこの映画を思い浮かべる方も多いのでは。未見の方はぜひ。

監督:スタンリー・キューブリック
原作:スティーヴン・キング
出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソン
20110513 | レビュー(評価別) > ★★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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