★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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アリス・イン・ワンダーランド

 あのティム・バートン監督が、ルイス・キャロルの名作児童文学を念願の映画化。しかし、監督の意気込みが妙な方向に先走ってしまった印象です。

 成長したアリスが再び不思議の国を訪れるというアプローチは良いんですが、「今度は戦争だ!」のような展開は僕のイメージするアリス像とかけ離れていて入り込めませんでした。アリスの成長物語も取って付けたような浮き具合だし、赤と白の勢力の対立も無理矢理な印象。赤の女王の動機付けがしっかりしていればまだ我慢できたかも知れませんがそれもなく。最後のまとめ方も大雑把だし、人物の描写以前の問題です。
 俳優の演技もCGのおかげであまり楽しめず。しかしヘレナ・ボナム=カーターの女王様ぶりはさすが。クリスピン・グローヴァーも微妙な役柄をしっかり表現していて感心しました。

 話題性だけは高いものの、脚本・音楽・美術・カメラワークなど映画の基礎部分にまとまりがなく、あまりの完成度の低さに観終わったときは唖然としました。バートンのアリスへの愛が大きすぎて、一本の映画には収まりきらなかったと思うことにします。

監督:ティム・バートン
原作:ルイス・キャロル
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイ、クリスピン・グローヴァー、アラン・リックマン
20110325 | レビュー(評価別) > ★ | comments (0) | trackbacks (0)
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