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英国王のスピーチ

 英国王ジョージ6世にまつわる感動の逸話をトム・フーパー監督が映画化し、アカデミー作品賞ほか4冠を獲得した佳作。若い監督の意欲を感じる作品でした。

 中盤まではそれなりに楽しめますが、戴冠式前後で物語のリズムが崩れてしまうのが惜しい。主役であるジョージ6世のキャラクターは面白いのに、相手役ライオネルの性格付けが弱いため肝心なところで盛り上がりに欠ける印象です。どちらかの主観に物語を偏らせることで焦点を絞れば、メリハリのきいた作品になったかもしれません。
 俳優では、なんと言ってもコリン・ファースの演技が素晴らしい。吃音が自然すぎて演技に見えません。他の俳優もそれぞれ良い演技をしているんですが、チャーチル役にティモシー・スポールというのだけはちょっと……笑ってしまいました。

 台詞回しやカメラワークはイギリス映画らしく気が利いています。俳優も地味なようでいて豪華で、演技の良さも見所。ちょっと上品な、でもしっかり面白い映画を観たい方にはオススメです。

監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム=カーター、ガイ・ピアース、ティモシー・スポール、マイケル・ガンボン
20110323 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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