トゥルー・グリット

見慣れた西部劇の世界観も、リアリズムに徹しながらどこか非現実を感じさせるコーエン兄弟らしい演出で描かれると圧巻で、冒頭から引き込まれました。保安官とテキサスレンジャーの人物描写も魅力的。しかし主役であるマティの感情の振れ幅が狭いため、どこか感情移入できずに終わってしまいました。少女の弱さを感じさせる演技がもう少しあったら良かったかも。そうしてみると、同行する二人の男もボケ役でしかなく、しっかり者のマティの前ではあまり役割が変わらないのも残念でした。
全編をドライな映像でまとめたロジャー・ディーキンスの撮影は見事。また、コーエン映画にしては珍しくアクションシーンが多く、映画としての盛り上がりも充分でした。俳優ではジョシュ・ブローリンのキレた演技が良かった。地味なので今まで気付きませんでしたが、実はこれからもっと伸びる俳優さんではないでしょうか。
掴みが良かっただけに、もうちょっとこの世界を深く長く堪能できたら評価は変わっていたかも。監督がもう一度西部劇を撮ってくれたら、また観に行きたいです。

監督:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
原作:チャールズ・ポーティス
出演:ヘイリー・スタインフェルド、ジェフ・ブリッジス、マット・デイモン、ジョシュ・ブローリン、バリー・ペッパー

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