ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女
「シュレック」二作で一気に売れっ子になったアンドリュー・アダムソン監督による、超有名児童文学の映画化。ファンタジー映画の真打ちともいうべき完成度で、万人にお勧めできる大作に仕上がりました。
児童文学の映画化作品が大流行の昨今において、単体の映画としても観賞に堪える作品は、実は初めてなのでは。台詞より映像で理解させる巧みな語り口で、原作未読者でも自然に物語に入っていけます。冒頭のロンドン爆撃など、原作にないシーンを挿入することで人物と世界に対する理解を深める手法は、映画というメディアを知り尽くした職人ならではの技でしょう。
そして、ファンタジーの魅力が詰まった原作の世界観を、丸ごと再現した映像世界は圧巻。あくまで子供に語ることを念頭に置き、教訓的ながら押しつけがましくない示唆に富む物語は、キレイ事と言われればそれまでなんですが、子供にも大人にも想像力を磨くことの大切さをさりげなく説いています。トールキンに批判されたという“ファーザー・クリスマス”が堂々と登場するあたりは、子供のための物語を大人が占有することに対する強烈な反感を投げかけているようにすら感じました。
カメラワークひとつとっても演出意図が明確で、基本的なことすらできていない昨今の大作系映画の中では出色。俳優陣も、地味ながらイギリス出身の実力派俳優を多数起用して厚みがあります。部分的に駆け足になるのが残念ながら、子供も大人も納得の作品といえるでしょう。何より、明るい色調のなかで魅力的な“物言う動物たち”が活躍する様は、映画ならではの喜びに満ちています。児童文学ファンなら、ぜひ。
監督:アンドリュー・アダムソン
原作:C・S・ルイス
出演:ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ティルダ・スウィントン、ジェームズ・マカヴォイ、ジム・ブロードベント、リーアム・ニーソン、ルパート・エヴェレット
児童文学の映画化作品が大流行の昨今において、単体の映画としても観賞に堪える作品は、実は初めてなのでは。台詞より映像で理解させる巧みな語り口で、原作未読者でも自然に物語に入っていけます。冒頭のロンドン爆撃など、原作にないシーンを挿入することで人物と世界に対する理解を深める手法は、映画というメディアを知り尽くした職人ならではの技でしょう。
そして、ファンタジーの魅力が詰まった原作の世界観を、丸ごと再現した映像世界は圧巻。あくまで子供に語ることを念頭に置き、教訓的ながら押しつけがましくない示唆に富む物語は、キレイ事と言われればそれまでなんですが、子供にも大人にも想像力を磨くことの大切さをさりげなく説いています。トールキンに批判されたという“ファーザー・クリスマス”が堂々と登場するあたりは、子供のための物語を大人が占有することに対する強烈な反感を投げかけているようにすら感じました。
カメラワークひとつとっても演出意図が明確で、基本的なことすらできていない昨今の大作系映画の中では出色。俳優陣も、地味ながらイギリス出身の実力派俳優を多数起用して厚みがあります。部分的に駆け足になるのが残念ながら、子供も大人も納得の作品といえるでしょう。何より、明るい色調のなかで魅力的な“物言う動物たち”が活躍する様は、映画ならではの喜びに満ちています。児童文学ファンなら、ぜひ。
監督:アンドリュー・アダムソン
原作:C・S・ルイス
出演:ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリー、ティルダ・スウィントン、ジェームズ・マカヴォイ、ジム・ブロードベント、リーアム・ニーソン、ルパート・エヴェレット
20060515 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -