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天国の日々

 テレンス・マリック監督による、今世紀初頭のアメリカ農村地帯が舞台のドラマ。映画全体としては時代を感じさせるものですが、撮影がひたすら見事。
 演出も俳優もそれほどではなく、アメリカの原風景を活写するだけのこの映画が高い評価を得られたのは、やはり撮影監督ネストール・アルメンドロスに依るところが大きいでしょう。殆どのシーンを、わざわざ早朝と夕方の赤く焼けた光線だけを選んで撮影したという、前代未聞の映像に対するこだわりが映画全体の完成度を底上げしていて、何でもないシーンですら印象派の絵画のような美しさでした。ましてや四季折々の農場が見せる表情は、どんな脚本よりも感動的で説得力があります。「20世紀最高の映像」と評されるのも納得。

 リチャード・ギアのステレオタイプなダメ男っぷりが気に入らなかったので、夕陽とサム・シェパードばかり見ていました。すぐカッとなって相手に掴みかかっていくことが格好いいことだとでも思っているんだろうか…。ただ映像のためだけにでも、観る価値のある作品です。

監督:テレンス・マリック
出演:リチャード・ギア、リンダ・マンズ、サム・シェパード、ブルック・アダムス
20060414 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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