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バウンド

 「暗殺者」の脚本家であるウォシャウスキー兄弟の、衝撃的な監督デビュー作。ジャンル自体はありきたりなフィルム・ノワールなんですが、そう言い切ってしまうのが惜しいぐらい斬新な作品でした。
 相棒モノの主人公を女性に置き換えただけで、ここまで手に汗握る展開になるとは思いませんでした。相手がいつ裏切るか分からない緊迫感や、男性に対する体力的な弱さという女性ならではの要素を巧みに組み込んだシナリオが絶妙。かなりトリッキーなカメラワークも当を得た使われ方で、場面を盛り上げるのに一役買っています。特に“白ペンキ”の描き方は、よくぞそこにカメラを置いたと唸ってしまいました。主演二人の艶っぽい演技や、ジョー・パントリアーノのダメなマフィアっぷりなどもケレンたっぷり。あまりに各要素の出来が良いので、服のセンスが悪いのなんて気になりませんでした。

 スパッと切り上げるラストも鮮やかで、見終わってからの爽快感は極上です。エンディング以降を色々想像したくなる、典型的な良い映画ですね。サスペンス映画が好きなら、是非。

監督:アンディ・ウォシャウスキー、ラリー・ウォシャウスキー
出演:ジーナ・ガーション、ジェニファー・ティリー、ジョー・パントリアーノ
20060415 | レビュー(評価別) > ★★★ | - | -
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