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永遠のマリア・カラス

 不世出の天才オペラ歌手マリア・カラスを、かつて彼女の友人であったフランコ・ゼフィレッリ監督が敢えて架空のストーリーで綴った作品。ゴシップを排し、歌手としての葛藤に絞った着眼点は良いものの、演技以上に心に響くテーマが無いのが残念でした。
 とにかくこの映画は、主演のファニー・アルダンの魅力に尽きます。「8人の女たち」でも異彩を放っていたものの、この映画での彼女の存在感はそれを上回るもので、伝説のオペラ歌手を余すところなく体現しています。カラスの葛藤などに関するドラマ的な掘り下げがあくまで通り一遍なのもあって、ただただアルダンの演技に見とれるばかりでした。カラスに思い入れがある人ならそれで十分楽しめるでしょうが、知らない人が観たら辛いところです。惜しい。

 劇中で流れる「カルメン」の出来が素晴らしく、もしそれだけで一つの映像作品になっているのなら発表してほしいぐらいでした。DVDには収録されていないみたいですが…。

監督:フランコ・ゼフィレッリ
出演:ファニー・アルダン、ジェレミー・アイアンズ、ジョーン・プロウライト
20060311 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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