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宇宙戦争

 スティーヴン・スピルバーグがH・G・ウェルズの名作SF小説を現代風に映画化したスペクタクル作品。ドンパチやるだけの映画ならともかく、家族ドラマを前面に押し出したせいで妙なことになってしまいました。

 スピルバーグのドラマが苦手なのでいやな予感はしていましたが、やはり無駄に家族愛を強調されてしまったので、映画の内容とテーマが最後まで結びつきませんでした。原作に無いテーマなんだから原作のエピソードも無視してしまえばいいのに、それもしないため特に後半は不自然な展開になり、映画の軸がどこにあるのか最後まで分からずじまいでした。あとは原作でもオチが唐突すぎるので、いっそそこを上手く処理して本格SFにしてしまえば良かったのかも。
 この原作をこのキャストで撮りたい理由も分かりませんでした。そもそもトム・クルーズが主役というのが疑問。彼なら宇宙人でも何とかしてしまいそうなので、ただ逃げるばかりの展開に違和感を覚えました。ひたすら叫ぶだけのダコタ・ファニングも残念。スピルバーグ監督はリアリズムとエンタテイメントの融合ではなく、現実をほどよく無視した冒険ものの方が似合いそうです。

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:H・G・ウェルズ
出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス、ジャスティン・チャットウィン、ミランダ・オットー
20110503 | レビュー(評価別) > ★ | comments (0) | trackbacks (0)
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