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ローズ・イン・タイドランド

 ギリアムの大ファンというミッチ・カリンによる原作を、そのままギリアム本人が気に入って映画化したホラー風味のファンタジー作品。「ブラザーズ・グリム」の製作中断中に撮影しただけあって、いつもより更にやりたい放題な内容に、ついて行くのがやっとでした。
 ギリアム版「不思議の国のアリス」とも言うべき内容で、主人公ローズの妄想世界はまさに絶好の題材。ただ、それを第三者視点で描いているので、ローズが現実から逃避しているのが客観的に見えてしまって、痛ましいというかなんというか。まともな人間がいないのはいつものことですが、今回は主人公まで一緒になって観客を置いてけぼりにしてくれます。そんなこんなでひたすら疲れたものの、ギリアムの健在ぶりを文字通り体感できたのは収穫でした。この調子で最期まで暴走し続けて欲しいところです。

 実は冒頭とラストだけが現実で、途中の話はラストのアレを見たローズがさかのぼって“捏造”したものなんじゃないかとか、いろいろと考察できると楽しいかも。あとローズ役のジョデル・フェルランドがかなり可愛いうえに演技も抜群だったので、今後が気になります。

監督:テリー・ギリアム
原作:ミッチ・カリン
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャージェニファー・ティリー
20061006 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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