★★★★で満点、ネタバレは原則ありません。
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ヒルコ 妖怪ハンター

 諸星大二郎のカルト伝奇漫画「妖怪ハンター」を、当時まだ新進気鋭の塚本晋也監督が映画化したホラー作品。原作のイメージとはかなり乖離した内容ですが、これはこれで楽しめました。
 映画の内容は、同シリーズの単行本「海竜祭の夜」に収録された「黒い探究者」をメインにしつつ、そこに「赤い唇」が絡むといった感じです。ただ原作の持つおどろおどろしさは無く、非常に標準的なホラーといった印象。伝奇的なカタルシスは分かりやすく翻案されていますし、沢田研二も落ち着きが無くて稗田礼二郎という感じではありません。ただその沢田研二と、まさお少年役の工藤正貴の掛け合いがなかなか巧みで、”少年のひと夏の体験”といった爽やかさすら感じました。室田日出男の強面も、物語を引き締めるのに一役買っています。最後の演出は、さすがにどうかと思いましたが…。

 全体にちぐはぐな印象の映画ではあるんですが、パワフルな映像と俳優に助けられて、後味は悪くなかったような。でも、これは諸星大二郎原作である必要はないかもなあ、と。

監督:塚本晋也
原作:諸星大二郎
出演:沢田研二、工藤正貴、上野めぐみ、竹中直人、室田日出男
20060217 | レビュー(評価別) > ★★ | comments (0) | trackbacks (0)
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